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アルゼンチンは南米の中ではブラジルの次に広大な土地を持ち、パタゴニア地方などの大自然とかつて南米のパリとまで呼ばれた華やかな都会とが混在し、多様な文化や芸術を持つとても魅力的な国です。
日本人移民も100年以上前からアルゼンチンで暮らしていて、現在でも多数の日系人が暮らす親日国。
日本からは真反対に位置するアルゼンチンですが、私たち日本人にとっては遠くて近い存在と言えます。
そんな本日はアルゼンチンに移住してみたい、サッカーやタンゴ音楽、ダンスなどで留学してみたい、家族のお仕事の関係で引っ越すことになった・・・などなど様々な理由でアルゼンチンに移住することを検討している方、移住することになった方のために、移住者ならではの視点でアルゼンチン移住前に知っておきたい5つの真実と題してアルゼンチンのリアルをお届け!

アルゼンチン移住のメリット


まずはアルゼンチン移住のメリット部分を見ていきましょう。
いいところは探せばキリがないほど魅力的。
食文化
まずは食べ物ですね。
人口よりも多いと言われる牛肉は安くて美味しい。
牛肉大国アルゼンチンで地元民おすすめのAsadoとParrillaのお店7選
他にもイタリア系移民が持ち込んだピザの文化。
アルゼンチンのピザは世界一!と豪語するアルゼンチン人はたくさんいます。
世界大会が開かれるほど今やピザといえばアルゼンチンという印象が世界的にも定着しているのかもしれません。
芸術文化
タンゴ音楽にフォルクローレ、ミロンガなどなどアルゼンチンだからこそ誕生し、発展し、栄えた芸術文化がたくさんあります。
当サイトでもアルゼンチンタンゴのマエストロたちを紹介していますので是非こちらのカテゴリーものぞいていってくださいね。

フォルクローレはブエノスアイレスというよりももう少し田舎町で栄えているアンデス由来のダンス文化です。
こちらの記事でも地元の人たちが楽しむフォルクローレを紹介しています。
楽しそうでしょう?
【1560年に建設された歴史ある街】田舎町〜ルハンにいってみた!

それだけじゃないんです。
歴史あるコロン劇場にはアルゼンチン出身の世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチも出演したり、20世紀にはドイツ出身のエーリヒ・クライバー(カルロス・クライバーのお父様)が長らく首席指揮者を務めるなど西洋音楽史の歴史にも深く関与しているんです。
教育や医療
ピンクタイトと呼ばれるアルゼンチンの政治主義から、みんな平等であるという認識が強いです。
そのため、公立であれば小中高と学費が無料。
大学さえ国立の場合無料になっています。
高等教育以上になると教育水準も非常に高く、ブエノスアイレス国立大学やコルドバ国立大学など世界大学ランキング登場するほどの名門校もあります。
また、首都ブエノスアイレス限定にはなりますが、日本の教育機関認定学校もありますので、ご家族の都合で子供と一緒に一時的に移住する場合でも日本の教育を受けることができます。(これは有料です)

また特筆すべきは医療面。
国民が無料なケースは他の国でもありますが、アルゼンチンでは国立の場合国民はもちろん旅行者でさえも地球上すべての人が無料でアルゼンチンの医療を受けることができます。
ただし英語対応などは一切してくれず、スペイン語のみになりますし、待ち時間は国民皆保険制度がある日本よりも遥かに長い時間の辛抱が必要。
受診までのハードルは結構高いです。
そのため待ち時間を短縮したい場合や急ぎの場合は私立の病院を利用する人も結構います。
アルゼンチン移住のデメリット〜5つの真実
メリットは移住してから発見する楽しみもありますので、このあたりにしておきましょう!
次にデメリットを見ていきましょう。
デメリットの捉え方は人それぞれですが、移住前に知っておいて欲しいことを中心にまとめていきます。

物価やレートがぐちゃぐちゃ
アルゼンチンは世界的に見てもデフォルト常連国。
もはやデフォルトしても国民は何も変わらずに日常生活を送っているほどです。
銀行の金利は78%(2023年3月時点)。
100万円預けたら一年後に178万円になって返ってくる。
そうです、もう返す気がないんですね。
また物価変動も激しく、為替レートも乱高下するので大変です。
首都ブエノスアイレスでは当然アルゼンチンペソよりもドルの信用度の方が高く、資産保全のためにドルを保有している人も多く、フリーランサーとの仕事ではドルで決済すると喜ばれることが多いです。
こういったお金やレート、国内の経済情勢の面で苦労することはかなり多いかと思います。
アルゼンチンペソの交換は公式レートとブルーレートと呼ばれる特殊なルート(もちろん合法)があり、旅行者はかなり不利な公式レートで交換しがちですが、移住者や長期滞在者はブルーレートで交換するように現地の人から情報をしっかりもらってください。

停電〜インフラ整備等
日常生活の中で日本のような安定した住環境を手に入れようと思ったら富裕層しか住んでいないとんでもなく高級エリアで高額な家賃を払って住むしかありません。
普通の住環境では停電は当たり前、賃貸の場合雨漏りしたからといって日本のように大家さんが飛んできてくれることはありません。
水道が出ないことも当たり前。
水道管に穴が空いてるかもしれません。
アルゼンチンではそういったDIYは日常的に行われており、自分たちでなんとかする気合いがある程度必要になってきます。
アルゼンチン男性は高いDIYの能力が求められることも。
大容量のキャンプ用バッテリーやソーラーパネルから蓄電できるバッテリーがあると安心できます。
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やっぱりテキトー
テキトーな国民性はやはり理解しておかなければいけません。
アルゼンチンに入国するために〇〇の書類が必要ですよ〜なんて言われていた頃もありますが、日本で一生懸命揃えていってもノーチェックで入国できたり。
こんな感じでバスだってテキトーにドアが開くこともあります。
もちろん時間感覚は南米タイムでゆったり流れています。
約束の時間は秒単位で守ることが強制されている日本とは全く違う価値観なのでそこはしっかり理解しておく必要があります。
10分や15分遅れるたびにいちいち連絡などはいれません。(ほとんどの人が)
ただし時間に対するプレッシャーがなかったり、テキトーに生きたいのに日本では生きずらさを感じている方にとっては大きなメリットにもなるので一概にデメリットとはいえないですね。
日本との距離感と時差
日本の真裏にあるアルゼンチン。
日本との時差はぴったり12時間です。
日本で朝9時ならアルゼンチンでは夜の21時。
アルゼンチンでようやく夜の時間を迎える頃に日本では仕事や学校が始まる時間ですので、日本の友人やご家族と連絡するのにすれ違いが多くなるかもしれません。
また帰国する際は当然現段階で直行便はなく、時には複数の経由地を経て合計30時間以上は必ずかけて移動することになります。
家族や友人の緊急事態に帰国する際も2〜3日は見ておかないといけないので、この距離感はしっかりと理解しておきましょう。
治安問題
アルゼンチンのスラム街でYoutubeの撮影を行っていた日本人が事件に巻き込まれたり、フランス人カメラマンが大通りで襲われたり。。。
いつどんな場所でも日本と同じような治安感覚でいると大変危険です。
ここ数年で劇的に治安はよくなってはいます。
それでも現地の人でも入り込んではいけない路地やエリアなどもあり、特にボカ地区やセントロの観光などは注意するようにしてください。
強盗にあったら絶対に立ち向かったりしないでください。
謎の精神状態で襲ってくる日本とは違ってアルゼンチンで出没する強盗の目的は金銭しかありません。
金銭さえ手に入ればそれでいいケースがたくさんありますので、おとなしく言う通りに出しましょう。
強盗に遭ったらこれを叫べ!~アルゼンチンで強盗に最も狙われている楽器とは?!
アルゼンチンへの移住方法

ここからは具体的な移住の手段をみていきます。



現地の人と結婚
当然ですが最も早いのが現地の人と結婚する方法。
こればっかりは素敵な人と出会えるか、運も関わってくるため方法と言えるかはわかりませんが、アルゼンチンでは現地の人と結婚していなくても、アルゼンチンで出産するとその子供と親(両親が外国人でも可)は永住権を取得することができます。

ウルグアイと行き来する
日本のパスポートの場合アルゼンチンには最大3ヶ月観光ビザ枠(ビザ取得なし)で滞在できます。
この最大3ヶ月枠は一度出国するとリセットされるため、ブエノスアイレスであれば隣国のウルグアイに船で日帰り観光しリセットしブエノスアイレスに戻る。
といった方法で何年もブエノスアイレスに滞在している日本人やその他の国の外国人がたくさんいます。
もちろん法的になんの問題もありません。
ただし、3ヶ月に一度ウルグアイにいかないといけないというのは最初は楽しいですが、1年も続けているとちょっとうんざりしてきます。
その場合はしっかり次に見るビザを取得しましょう。

移民局で観光ビザを更新
ウルグアイへの観光にうんざりしてきたら移民局で最大3ヶ月の観光ビザ枠を延長するための手続きを行う方法があります。
これで長期滞在も可能。
ただしある程度の語学力と、結局は膨大な時間が必要なのでウルグアイの行き来と悩むところなのかもしれませんね。
移住ビザを取得
アルゼンチン国内でビジネスを行う投資家や起業家は、申請すれば3年間の在留許可を取得することができます。
3年間ビジネスを維持することができれば、その後永住権の申請をすることができます。
起業家、投資家のビザの申請は、書類は全てスペイン語であることに加えてアポスティーユ(公証)が必須ですので、ハードルはかなり高めな方法です。
アルゼンチンでの暮らすための費用は?!

先述の通り物価の変動も激しくレートも激しく、デフォルトも当たり前に起こる国なので、生活費や物価なども基本的に安定することはありません。
2022年後半から2023年の感覚でいうと、日本の地方都市くらいの感覚でOKだと思います。
家賃も5万円以上10万円未満であればしっかりした部屋を借りることができます。
シェアハウスなどを見つけることができれば5万円以下からも探すことが可能。
交通費などの移動手段は日本と比べると随分安く済みます。
例えば地下鉄などは必ず数百円単位から始まる日本とは違い、数十円で乗ることができます。
タクシーも日本よりも安く捕まります。
食料品などもお肉類が安く手に入ったり、まとめ買いでコストを抑えることができれば、日本と変わらないもしくは日本よりも低予算で生活することができます。
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知っておきたいアルゼンチン文化
移住前に知っておきたいアルゼンチン文化をいくつかシェア。
まずはやっぱりこれなんです。
マテ茶の回し飲み?
アルゼンチンといえばマテ茶。

アルゼンチンの友人と遊ぶ時、ホームパーティーや家に招待された時などはほぼ確実にマテ茶が出てきます。
複数人で集まる時に誰もマテ茶を持っていないということはあまり考えられず。
好きな人はずっとこのマテの茶器を手放しません。
実はマテ茶文化自体はウルグアイのグアラニー族から発祥しており、ウルグアイ人はマテ器と手がくっついていると言われるほどもっと手放しません。
ボンビーシャと呼ばれるストローのような部分はみんなでシェアします。
そのため抵抗のある方は回ってきた時にしっかりお断りしましょう。
はっきりとノーグラシアスといえば別に誰も気を悪くしたりしません。
また、まわし飲みを受け入れないと仲間に入れてもらえないとか、文化を拒否したことになるとか、そういう激しいものではありませんので、気にせず『ノーとか、ノーグラシアス』で大丈夫です。
逆に抵抗がありながら受け取ってしまって “いつまでも飲まずに持ち続ける” 方が少し空気が悪くなったりします。
注意して欲しいのが日本語の感覚で『ありがとう』+ジェスチャーで否定の形を取ること。
ありがとう(でも私はいりません)は通じません。
グラシアスは手でブロックのジェスチャーをしても『いただきます』になります。
飲む時は次の人が待っていることもあるので、あまり持ち続けることなくささっと飲んで、ボンビーシャが『ジュッ』という音を立てるまで飲み切りましょう。
飲み切った後は次の人に勝手に渡すのではなく、あなたにマテ器を渡してくれた人(ホスト)に返すようにしてください。
サッカー熱が大変
こちらは2022年W杯でアルゼンチンが優勝した時の街の様子。
W杯じゃなくてもアルゼンチンではサッカー熱がとんでもなく高いです。
観戦中に停電になったりするとみんな半泣き状態。
サッカー関係の集まりも頻繁に起こり、集まりあれば暴動に発展する危険性も同時に秘めていますのでサッカー熱に巻き込まれないようにしてくださいね!

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