世界一周の費用とルート|順番の決め方

世界一周は、思っているより現実的な旅です。金額の問題というより設計の問題であり、同じ期間でも設計次第で費用は数倍変わります。
当サイトは南米を本拠にしたサイトです。世界一周経験者が口を揃えて「最難関」と呼ぶ南米区間を熟知している立場から、費用の構造、ルートの組み方、そして南米の攻略までをまとめます。
費用を決める4つの変数
世界一周の総額は、次の4つの掛け算で決まります。金額そのものは為替と時期で動くため、ここでは構造で考えます。
1つ目は期間です。3ヶ月か、半年か、1年か。滞在費は日数にそのまま比例しますが、航空券はあまり比例しません。だから長い旅ほど1日あたりの単価は下がっていきます。
2つ目は地域の配分です。物価は地域によって数倍違います。東南アジアと南アジアは安く、欧米と日本は高い。南米はその中間ですが、国によって上下の幅が大きいのが特徴です。安い地域に長くいて、高い地域を短く抜ける。節約の基本形はこれだけです。
3つ目は移動の密度です。費用でいちばん大きいのは航空券と長距離移動なので、訪問国を増やすほど総額は膨らみます。多くの国を浅く回るより、少ない国を深く見るほうが安く、そして濃くなる。これは旅人のあいだで昔から言われていることです。
4つ目は宿と食の水準です。ドミトリーと自炊で組むか、個室とレストランで組むか。ここが節約の幅がいちばん大きく、同時に体力と相談して決めるところでもあります。
概算の作り方は簡単で、「航空券の総額 + (1日あたりの生活費 × 日数) + 装備と保険」の3ブロックで見積もれば、大きくは外れません。生活費は行き先の物価水準から積み上げます。
世界一周航空券を買うべきか
航空連合が売っている一筆書きの周回券があります。太平洋と大西洋を渡り、南米まで飛ぶような長距離中心の旅程なら、これで総額が安定します。日程を後から動かせるのも強みです。ただし同じ方向に回り続けるといった制約があるので、行きたい順に自由に組めるわけではありません。
逆に短距離の移動が多い旅程なら、その都度買ったほうが安くなります。自由度は最大ですが、遅れたときに次の便を保証してくれる人はいません。南米行き乗り継ぎ完全ガイド に書いた通し予約の原則が、ここでも同じように効きます。
実際に多くの人が落ち着くのは、その中間です。大陸をまたぐ長距離だけ先に押さえ、大陸のなかは現地で都度買う。値段と自由のつり合いがいちばん良いのがこの形です。
順番は気候から逆算する
回る順番の決め方は、実のところ1つしかありません。行きたい場所のいちばん良い季節に、そこにいるように並べる。それだけです。
西回りか東回りかは、あとから決まります。日本からアジア、ヨーロッパ、南米と進む西回りは、時差を毎回少しずつ稼ぐ方向なので体が楽だと言われます。東回りは南北アメリカから始める形です。どちらでも旅は成立するので、先に決めるべきは方向ではなく季節です。
まず動かせない季節に錨を打ちます。当サイトが扱う範囲でいえば、パタゴニア は10月から4月、ウユニ塩湖の鏡張り は12月から3月、バルデス半島のクジラ は6月から12月。この動かない点を先に置いて、そこへ他の大陸をつないでいきます。
あとは大きな雨季と酷暑だけ外せば十分です。東南アジアのモンスーン、インドの酷暑期。この2つを避ければ、残りはかなり自由に組めます。
荷物はバックパックひとつに収める
世界一周の荷物は、あらゆる気候に対応できる最小のひとそろいです。
大きさは40Lから60Lに収めてください。移動が生活そのものになる旅では、荷物の軽さがそのまま自由の量になります。担いで階段を上れない荷物は、行ける場所を狭めます。
全気候は重ね着で作ります。夏服を土台にして、フリースと防水防風のジャケットを足す。氷河とジャングルを同じ荷物で回るには、この方法しかありません。
そして消耗品は現地で買う前提にしてください。だいたいのものは世界中どこでも手に入ります。迷ったら持たない。詳しくは 持ち物ガイド と スーツケースとバックパックの選び方 にまとめています。
あわせて、お金の管理 (カードの複数枚体制と現金の分散) と、長期対応の海外旅行保険は出発前の必須準備です。カード付帯保険を土台に保険料を抑える考え方は 付帯保険ガイド にまとめています。
年会費無料のVisaカードです。利用付帯の海外旅行傷害保険が付きます (適用には旅行代金などのカード決済が条件です。補償内容と条件は公式サイトで確認してください)。長旅の前に、保険と決済手段を1枚で増やせるのが実利です。
決済と保険を一枚で増やせるため、予備カードの定番です。長期の旅では付帯保険の期間条件を必ず確認してください。
南米はなぜ最難関で、なぜ最高なのか
世界一周者の間で南米が最難関と言われる理由は3つあります。距離が長い (移動が高くつく)、スペイン語圏 (英語が通じにくい)、治安に濃淡がある。そしてこの3つを越えた先に、マチュピチュ、ウユニ、パタゴニア、イグアス、ブエノスアイレスという、この惑星のハイライトが密集しています。
動線は 南米周遊モデルルート の縦断路が、そのまま世界一周の南米区間の設計図になります。言葉の準備は 英語ができない人の海外旅行術 と 旅のスペイン語50フレーズ。安全については 治安ガイド の原則が大陸全体で通用します。長い移動と時差は 30時間フライト と 時差ボケの治し方 にまとめました。
世界一周の中で南米だけは「ついでに寄る」が効かない大陸です。ここに何週間を配分するかが、旅全体の満足度を決めると言っても過言ではありません。
世界一周の装備
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よくある質問
世界一周の費用はどうやって見積もればいいですか
「航空券の総額 + 1日あたり生活費 × 日数 + 装備と保険」の3ブロックで概算します。総額は期間・地域配分・移動の密度・宿のグレードの4変数で数倍変わるため、金額より先に設計を固めるのが正解です。
世界一周航空券と普通の航空券はどちらが得ですか
太平洋・大西洋など長距離区間が多い旅程なら世界一周航空券が安定し、短距離移動の多い旅程ならLCCの都度買いが安くなります。大陸間だけ先に押さえて大陸内は現地調達する折衷が現実解です。
世界一周のルートはどう決めればいいですか
行きたい絶景のベストシーズンから逆算します。パタゴニアは10〜4月、ウユニ塩湖の鏡張りは12〜3月など、動かせない季節を先に置き、そこに他の大陸を接続する方法が失敗しません。
世界一周の持ち物はどれくらい必要ですか
40〜60Lのバックパックひとつが基準です。夏服にフリースと防水ジャケットを重ねて全気候を作り、消耗品は現地調達を前提に「迷ったら持たない」が原則です。
なぜ南米が世界一周の最難関と言われるのですか
移動距離が長く、英語が通じにくく、治安に濃淡があるためです。一方でマチュピチュ、ウユニ塩湖、パタゴニアなど世界一周のハイライトが密集する大陸でもあり、十分な日数を配分する価値があります。