アルゼンチン国内の長距離移動 完全ガイド|バス・飛行機・鉄道・フェリーの選び方と主要都市への行き方

目次
アルゼンチンの国土は日本の約7.5倍あります。ブエノスアイレスからバリローチェまで約1,600km、ウシュアイアまでは約3,000km。この距離感を前提に、バス・飛行機・鉄道・フェリーをどう使い分けるかを、この記事に一本でまとめました。
アルゼンチン全図の地図ページ の「国内移動」レイヤーで各都市への線をクリックすると、この記事の該当する街の節に飛べるようになっています。地図と往復しながら旅程を組んでください。
まず結論。距離で乗り物を選びます
| 行き先 | バス | 飛行機 | おすすめ |
|---|---|---|---|
| マル・デル・プラタ | 約5.5〜6時間 | 約1時間 | バス (頻発・市内発着) |
| ロサリオ | 約4時間 | - | バスまたは鉄道 |
| コルドバ | 約9〜10時間 | 約1時間20分 | 夜行バスか飛行機 |
| メンドーサ | 約13〜15時間 | 約1時間50分 | 夜行バスか飛行機 |
| バリローチェ | 約20〜23時間 | 約2時間20分 | 飛行機 (バスは体力次第) |
| サルタ | 約18〜20時間 | 約2時間20分 | 飛行機 |
| プエルト・イグアス | 約16〜18時間 | 約1時間50分 | 飛行機 |
| エル・カラファテ | 非現実的 | 約3時間15分 | 飛行機一択 |
| ウシュアイア | 非現実的 | 約3時間30分 | 飛行機一択 |
| コロニア (ウルグアイ) | - | - | フェリー約1時間15分 |
目安はこうです。6時間まではバスが楽。10〜15時間は夜行バスの上位クラスが「走るホテル」として機能します。20時間を超えたら、よほどバス旅が好きでない限り飛行機を選んでください。
レティロ・バスターミナルの使い方
長距離バスの拠点は、市内北部のレティロ・バスターミナル (Terminal de Ómnibus de Retiro) です。アルゼンチン最大のターミナルで、75の乗り場から全国の州都と近隣国への便が24時間発着しています。
- 場所: Av. Antártida Argentina。地下鉄C線レティロ駅、近郊鉄道レティロ駅から徒歩圏です
- 構造: 切符売り場の階に各社の窓口が番号順に並び、乗り場の階からバスが出ます。電光掲示板で自分の便の乗り場番号 (plataforma) を確認します
- 主な会社: フレチャブス (Flecha Bus)、チェバジェール (Chevallier)、アンデスマール (Andesmar)、ビア・バリローチェ (Via Bariloche)、クルセロ・デル・ノルテ (Crucero del Norte) など
- 荷物: 大きな荷物は係員が荷室に入れ、引き換えの札を渡されます。受け取りまで札は捨てないでください
周辺は治安に注意が必要なエリアです。夜間の到着・出発では、ターミナルと市内の間はタクシーか配車アプリを使い、徒歩移動は避けてください。詳しくは 治安ガイド にまとめています。
座席クラスの違い。セミカマとカマを覚えれば十分です
アルゼンチンの長距離バスは座席クラスの文化が発達していて、同じ区間でもクラスで快適さが大きく変わります。
| クラス | リクライニング | 特徴 |
|---|---|---|
| セミカマ (Semi cama) | 約120度 | 標準クラス。短〜中距離ならこれで十分 |
| カマ (Cama) | 約150度 | 夜行の基本。足置きが上がり、ほぼ横になれます |
| カマ・エヘクティボ (Cama ejecutivo) | 約160度 | 横2+1列の幅広シート |
| スイート (Suite / Tutto letto) | 約180度 | 完全に水平。仕切り付きで、食事が出る便もあります |
夜行で10時間を超えるなら、カマ以上を選ぶのが鉄則です。差額は日本の感覚では小さく、睡眠の質がまったく違います。
チケットの買い方
- 横断検索サイトで探す。Plataforma 10 (plataforma10.com.ar) や Busbud で、区間と日付を入れると全社の便と価格を比較できます。クレジットカードで決済できます
- 各社の公式サイトで買う。ビア・バリローチェなど大手は自社サイトでも販売しています
- 窓口で買う。レティロの切符売り場は24時間開いています。直前でも空席があれば買えますが、連休と夏休み (1〜2月) は事前購入をすすめます
購入時はパスポート番号の入力を求められます。乗車時もパスポート提示があるので、原本を手元に用意してください。
主要都市への行き方
マル・デル・プラタへの行き方
バスで約5.5〜6時間。便数が非常に多く、複数社が日中も夜行も走らせています。夏の海水浴シーズンは大増発されますが、それでも満席が出ます。鉄道 (コンスティトゥシオン駅発) もあり、バスより時間はかかりますが安く、夏は人気で早売り切れします。
ロサリオへの行き方
バスで約4時間。日中の便で十分な距離です。鉄道なら夜行があり、レティロ駅を夜に出て早朝にロサリオ・ノルテ駅に着く便が毎日走っています (詳細は後述の鉄道の節へ)。
コルドバへの行き方
バスで約9〜10時間。夜行のカマクラスで寝ている間に着く、ちょうどよい距離です。チェバジェールなど複数社が毎晩運行しています。飛行機なら約1時間20分です。
メンドーサへの行き方
バスで約13〜15時間。アンデスマールやカタ (Cata Internacional) などが走らせており、夕方に出て翌朝ワイナリーの街に着く夜行が定番です。飛行機なら約1時間50分。ワイン産地の見どころは アルゼンチンワインの記事 にまとめています。
バリローチェへの行き方
バスで約20〜23時間。ビア・バリローチェ社の本拠路線で、夕方発・翌日夕方着が基本形です。スイートクラスなら移動自体を楽しめますが、体力と時間の余裕がない旅程では飛行機 (約2時間20分) をすすめます。パタゴニア全体の回り方は パタゴニアガイド をどうぞ。
サルタへの行き方
バスで約18〜20時間。北西部方面はフレチャブスなどが担います。距離が長いので、行きは飛行機 (約2時間20分)、帰りに途中のトゥクマンやコルドバに寄りながら南下する組み方も人気です。
トゥクマンへの行き方
バスで約13〜15時間、飛行機で約1時間50分。鉄道の長距離便 (週2便) もありますが、所要時間はバスよりさらに長くなります。
プエルト・イグアス (イグアスの滝) への行き方
バスで約16〜18時間。クルセロ・デル・ノルテなどが夜行を走らせています。飛行機なら約1時間50分で、滝の観光時間を確保しやすいのは圧倒的に飛行機です。滝の回り方は イグアスの滝 完全ガイド にまとめています。
プエルト・マドリン (バルデス半島) への行き方
バスで約18〜20時間。クジラの季節 (6〜12月) に訪れるなら、トレレウまで飛行機 (約2時間) で入り、バスかレンタカーで北上するのが現実的です。
エル・カラファテへの行き方
飛行機一択です (約3時間15分)。バスは乗り継ぎで丸2日かかり、現実的ではありません。ペリトモレノ氷河の見方と拠点の街の情報は エル・カラファテ完全ガイド にまとめています。
ウシュアイアへの行き方
飛行機一択です (約3時間30分)。世界最南端の街へは、ブエノスアイレスのアエロパルケ空港かエセイサ空港から直行便が飛んでいます。エル・カラファテとウシュアイアを飛行機で結ぶ周遊も定番です。
コロニア・デル・サクラメント (ウルグアイ) への行き方
プエルト・マデーロ地区のフェリーターミナルから高速船で約1時間15分。石畳の世界遺産の街への日帰りが可能です。出入国審査があるのでパスポートを忘れずに。
モンテビデオ (ウルグアイ) への行き方
直行フェリーで約2時間15分から。コロニアまで船、そこからバスという組み合わせもあります。飛行機なら約50分です。
鉄道という選択肢
アルゼンチンの長距離鉄道は国営のトレネス・アルヘンティーノスが運行しています。速さではバスに負けますが、運賃が大幅に安く、早めに買えば席が取れます。2026年時点で動いている主な便はこうです。
- ロサリオ行き: レティロ駅から毎日夜行が1本。夜に出て翌早朝に着きます
- コルドバ行き: 週2便体制ですが、線路の保守で運休する期間があります
- トゥクマン行き: レティロ駅から週2便の夜行
- マル・デル・プラタ行き: コンスティトゥシオン駅から毎日。夏は指折りの人気路線です
時刻と運行状況は変わりやすいので、乗る前に必ず公式サイト (argentina.gob.ar の Trenes Argentinos のページ) で最新情報を確認してください。切符はオンラインで買えます。
飛行機のコツ
- 空港は2つ。市内に近いアエロパルケ (AEP) と、郊外のエセイサ (EZE) です。国内線の多くはアエロパルケ発着ですが、LCCはエセイサ発着の便もあります。予約時に必ず空港コードを確認してください
- 航空会社はアルゼンチン航空のほか、LCCのフライボンディ、ジェットスマートが主要路線を飛んでいます。LCCは手荷物の重量規定が厳格で、超過料金が高いので事前購入が安全です
- 国内線は変動価格制です。夏休み (1〜2月) と7月の冬休みは早めの予約をすすめます
日本からの国際線については 長距離フライトの過ごし方 も参考にしてください。
夜行バスを快適に乗り切るコツ
- 車内は冷房が強いことが多く、上着かブランケットが必須です
- 貴重品は必ず手元へ。足元や網棚に置いた荷物から目を離さないでください
- パスポートは荷室に預ける荷物に入れず、身につけてください
- 途中休憩や食事配布は便によって差があります。水と軽食を持ち込むと安心です
- 到着が早朝になる便では、着いてからの移動手段 (タクシー・配車アプリ) を先に調べておくと迷いません
万一の荷物紛失や体調不良に備え、海外旅行保険は出発前に整えておいてください。クレジットカード付帯保険の使い方は 海外旅行保険の記事 に詳しくまとめています。
世界の現地ツアーや体験を日本語で予約できるサイトです。アルゼンチンのページには空港送迎やタンゴ関連、イグアス方面のプランが日本語で並び、口コミと空き状況を見て申し込めます。スペイン語や英語での予約に不安がある人の選択肢です。
バリローチェやイグアスなど到着後の現地ツアーを日本語で予約できます。長距離移動の到着日に合わせて押さえておくと旅程が締まります。
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長距離バスは車内Wi-Fiが不安定なことが多いです。eSIMがあれば途中の休憩地や到着直後の配車アプリ利用に困りません。
アルゼンチン全図 の「国内移動」レイヤーには、この記事で扱った13都市への線が引いてあります。線をクリックすると所要時間とこの記事の該当節へのリンクが出ます。ライブカメラのレイヤーを重ねれば、行き先の街の今の様子も見られます。
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