歴史と文化

アルゼンチンの世界遺産全12件|氷河からタンゴの記憶まで・行き方つき完全ガイド

目次
  1. 二大看板: 氷河と滝
  2. ロス・グラシアレス国立公園 (1981)
  3. イグアス国立公園 (1984)
  4. パタゴニアの遺産
  5. バルデス半島 (1999)
  6. 手の洞窟 (1999)
  7. ロス・アレルセス国立公園 (2017)
  8. 北の遺産: インカとイエズス会
  9. ウマワーカ渓谷 (2003) とカパック・ニャン (2014)
  10. グアラニーのイエズス会伝道所群 (1983)
  11. コルドバのイエズス会地区 (2000)
  12. 異色の2件
  13. ル・コルビュジエの建築作品: クルチェット邸 (2016)
  14. ESMA記憶の場博物館 (2023)
  15. 回り方の設計
  16. よくある質問

アルゼンチンの世界遺産 全12件ガイド

アルゼンチンには12件の世界遺産があります (自然遺産5件・文化遺産7件)。氷河、大瀑布、クジラの海という地球規模の自然から、先住民の岩絵、イエズス会の伝道所、そして現代史の負の記憶まで。12件を順に見ていくと、この国の500年が一望できる構成になっています。

#名称種別登録年地域
1ロス・グラシアレス国立公園自然1981パタゴニア
2グアラニーのイエズス会伝道所群文化1983北東部
3イグアス国立公園自然1984北東部
4手の洞窟 (クエバ・デ・ラス・マノス)文化1999パタゴニア
5バルデス半島自然1999パタゴニア
6イスチグアラスト・タランパヤ自然公園群自然2000西部
7コルドバのイエズス会地区とエスタンシア群文化2000中部
8ウマワーカ渓谷文化2003北西部
9カパック・ニャン (インカ道)文化2014北西部
10ル・コルビュジエの建築作品 (クルチェット邸)文化2016ラ・プラタ
11ロス・アレルセス国立公園自然2017パタゴニア
12ESMA記憶の場博物館文化2023ブエノスアイレス

二大看板: 氷河と滝

ロス・グラシアレス国立公園 (1981)

アルゼンチン最初の世界遺産にして最大の看板です。中心は崩落を続ける ペリトモレノ氷河。拠点のエル・カラファテへはブエノスアイレスから飛行機で約3時間強です。

イグアス国立公園 (1984)

世界三大瀑布の最大瀑布。悪魔の喉笛の轟音は、映像では絶対に伝わりません。イグアスの滝完全ガイド で回り方を解説しています。

パタゴニアの遺産

バルデス半島 (1999)

ミナミセミクジラの世界最大級の繁殖地です。6〜12月のホエールウォッチングは バルデス半島ガイド へ。

手の洞窟 (1999)

約9,000年前から先住民が岩壁に残した数百の手形の岩絵です。岩に手を当てて顔料を吹き付けたネガティブハンドが幾重にも重なる光景は、人類最古級の「ここにいた」という署名です。パタゴニアの奥地 (ペリト・モレノ町近郊) にあり、行きにくさも含めて特別な場所です。この大地に最初に生きた人々のことは 先住民の歴史 で書いています。

ロス・アレルセス国立公園 (2017)

樹齢数千年のアレルセ (パタゴニアヒバ) の原生林と氷河湖の公園です。バリローチェの南、エスケル近郊にあり、湖水地方の静養地として知られます。

北の遺産: インカとイエズス会

ウマワーカ渓谷 (2003) とカパック・ニャン (2014)

北西部フフイ州の渓谷は、七色の丘プルママルカと日干し煉瓦の村々が続くアンデス文化圏です。渓谷自体が1万年の交易路として登録され、2014年にはこの地を通るインカ道カパック・ニャンが6か国共同で登録されました。インカ帝国の歴史 の南限がここです。サルタから北上するルートが定番です。

グアラニーのイエズス会伝道所群 (1983)

17世紀、イエズス会が先住民グアラニーと築いた共同体の遺構です。アルゼンチン側の中心はサン・イグナシオ・ミニで、イグアスの滝から車で約4時間。滝とセットで回れる位置にあります。

コルドバのイエズス会地区 (2000)

アルゼンチン第2の都市コルドバの中心部には、イエズス会の教会と南米最古級の大学 (1613年創立) が現役のまま残ります。周辺の農園エスタンシア群も登録範囲です。ブエノスアイレスから飛行機で約1時間強、バスで約9時間です。

異色の2件

ル・コルビュジエの建築作品: クルチェット邸 (2016)

近代建築の巨匠ル・コルビュジエが南米に残した唯一の住宅で、7か国17作品の一括登録の一つです。ブエノスアイレス近郊の計画都市ラ・プラタにあり、日帰りで見学できます。

ESMA記憶の場博物館 (2023)

最も新しい登録は、軍事政権時代に最大の秘密収容所だった海軍工科学校です。負の記憶を保存する遺産として、アウシュヴィッツや原爆ドームの系譜に連なります。この場所で何があったかは 軍事政権と汚い戦争 で解説しています。ブエノスアイレス市内にあり、無料で見学できます。

回り方の設計

12件を一度の旅行で回るのは現実的ではありません。組み合わせの定石は次の3つです。

  • 王道: イグアス + ロス・グラシアレス + ESMA (ブエノスアイレス滞在中) の3件。観光モデルコース の10日プランがこの形です
  • 自然特化: 上記にバルデス半島 (クジラの季節限定) を追加
  • 文化特化: ブエノスアイレスを拠点にESMAとクルチェット邸、北西部へ飛んでウマワーカ渓谷とインカ道

よくある質問

アルゼンチンの世界遺産はいくつありますか

12件です。ロス・グラシアレスやイグアスなど自然遺産が5件、イエズス会伝道所群やESMA博物館など文化遺産が7件あります。

アルゼンチンで一番有名な世界遺産はどれですか

イグアス国立公園とロス・グラシアレス国立公園 (ペリトモレノ氷河) の2件です。どちらも初めてのアルゼンチン旅行の定番目的地になっています。

世界遺産を効率よく回るにはどうすればいいですか

一度の旅行ではイグアス、ロス・グラシアレス、ブエノスアイレス市内のESMA博物館の3件に絞るのが現実的です。国内線を使い10日程度で回れます。

手の洞窟とは何ですか

パタゴニアの渓谷にある約9,000年前からの岩絵遺跡で、先住民が岩壁に残した数百の手形で知られます。1999年に文化遺産に登録されました。

ESMA博物館はなぜ世界遺産になったのですか

1976年からの軍事政権期に最大の秘密収容所だった建物を、国家による人権侵害の記憶を保存する場として公開しているためです。2023年に文化遺産に登録されました。

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