ピサロやコルテスがスケープゴートな可能性を考える〜歴史は勝者によって作られる

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本日はコラム記事であり、筆者の推察が軸となっています。

というわけで、本日はフォルクローレや南米音楽を知る上で大切なピサロやコルテスのお話。

この記事を担当:こうたろう

1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験し、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、音響エンジニア、フォトグラファーなどフリーランスのマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではアルゼンチンタンゴを知るためのコアな知識を考察していきます

アルゼンチンの半数以上

アルゼンチンの国としての重要な文化といえば、ガウチョやフォルクローレ、マテ茶などなど。

これらは伝統的なアルゼンチンの文化と言われており、今日でも欠かせない文化です。

マテ茶は南米由来で先住民族が嗜んでいた文化であり、今のウルグアイ地域のグアラニー族が起源とする説が有力。

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実はマテ器には明確にアルゼンチンのマテ器とウルグアイのマテ器が分かれています。
この写真のマテ器はアルゼンチン人の持つマテ器で、木をくり抜いて作られています。
ウルグアイのものは革で覆われているものがほとんど。

ガウチョやフォルクローレはピサロ以降のスペイン経由で持ち込まれた文化と先住民との融合で生まれた文化であるとされています。

フォルクローレのリズムについてはスタジオで制作したスペイン語で制作した動画がありますので、雰囲気だけでもチェックしてみてください。

冒頭で彼が語っていること
冒頭ではボンボというフォルクローレで使う楽器について語っています。
ボンボはフォルクローレの各地域で使われている楽器であり、その明確な起源はわかっていないということ。
例えばガウチョ(カウボーイのような存在と文化)などは明確にスペイン文化が入ったきたものだと言われていますし、タンゴの歌唱法自体はイタリア歌曲の歌唱法がベースになっていたりします。

スペインの侵略やその後のヨーロッパからの移住者たちとの交流がどのようなものだったのか?

という点はこれまでと変わりないですが、歴史は常に勝者によって作られるという原理原則を疎かにしてしまってはいけません。

例えばこちらの写真はKotaro Studioが運営している青いタンゴ礁のものですがエル・シッドの象。

エル・シッドの象であり、スペインのブルゴスやサラマンカなどにも建造されています。

イスラムに占領されていたバレンシアを奪還するというスペインにとってはヒーロー中のヒーローです。

なぜ、南米を侵略したスペインのヒーローが?

なんて疑問があったわけですが、現在アルゼンチン人の半数以上はヨーロッパ系移民と、近代移民で占められています。

割合はいろんなデータがありますので、正確な数値はこの記事ではシェアしませんが、半数以下を示すデータは一つもないため、半数以上としておきます。

チャットGPTに聞いてみるとこんな答えでした。

移民の割合については、19世紀後半から20世紀初頭にかけての大規模な移民の波によって、アルゼンチンは多くの外国人移民を受け入れました。特にイタリア、スペイン、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ諸国からの移民が多く、その他にも中東、アフリカ、アジアからの移民もありました。これにより、アルゼンチンの人口の大部分は移民の子孫であると言われており、現在のアルゼンチンの人口の約90%以上を移民の子孫が占めています。
一方、先住民族の割合については、現在のアルゼンチンの総人口に対しては比較的小さな割合を占めています。先住民族は、アンデス山脈や北部のチャコ地方、パタゴニア地方などに居住しており、複数の先住民族が存在しています。しかし、先住民族の人口は様々な要因により減少してきており、現在のアルゼンチンの人口の約2%程度を占めているとされています。
したがって、アルゼンチンの人口は主に移民の子孫によって形成されており、先住民族の割合は比較的少ないと言えます。ただし、近年には先住民族の権利の保護や文化の尊重が注目されるようになっており、先住民族の存在と文化の重要性が再評価されつつあります。

チャットGPT

エル・シッドはスペインのみならず、ヨーロッパの地域では英雄扱いされている人物ですので、半数以上がヨーロッパ系で占められているアルゼンチンでも英雄扱いされるのは当たり前といえば当たり前なわけですね。

このあたりの考察が180度間違っていたことに気がついたついでに、クロニカやクロニスタの資料に関しても仮説を立てながら考えていくことにしました。

歴史は勝者によって作られる

インカ帝国やアステカ帝国など、文字を持たなかった文明の文化を破壊したスペインでしたが、それらの記録を知るためにはクロニスタと呼ばれるスペイン人記録者が作ったクロニカと呼ばれる歴史文書を紐解いていく必要があります。

そうです。

スペイン側、今私たちが手に入る情報や歴史は勝者が作っている歴史。

文学を学ぶ理由

文学を学ぶ理由がここにあります。
歴史は勝者や時の権力者によって書き換えられ、作られる。
しかし、小説や文学には当時の生活や様子、歴史的背景が反映されており、そこから想像することができます。
文学は芸術です。
芸術家が観るべき歴史や、文化の深層というのはこういった視点とルートが理想であると考えています。

ピサロはスケープゴート?

コルテスやピサロの悪行などは隠蔽しようと思えばいくらでも隠蔽できたわけです。

あるいは、隠蔽したけどもあれだけ出てしまった・・・とすれば本当に恐ろしい話ではありますが。

ただ、一つの仮説として、例えばピサロなどは最終的にスペイン王国と(財産分与に関連して)敵対するわけですから、スペイン王国としてスケープゴートにピサロを選定した、なんて可能性もあるんじゃないか?

と仮説を立てても面白いのかな〜なんて思ったり。

いろんな妄想

当時インカ帝国が侵略された要因の一つに、ちょうどタイミングよくインカ帝国の統治が乱れており、内乱、内戦状態にまで発展寸前なほど乱れていたという点があります。

このインカ帝国の歴史もスペインが作ったとすれば逆説を仮説として考えみると、ピサロはもしかして、いい感じにインカ帝国に馴染んでいったという歴史もありえるんじゃないか。

スペイン側としては思っていた以上にインカ帝国からゴールドが取れる。

当初ほぼ放置状態だったコンキスタドールでしたが、ある時期からスペイン王国がかなり介入をはじめているあたり、南米には思った以上の金があったのではないでしょうか。

やっぱりすごい南米の金事情

現在でもアルゼンチンには世界でも稀に見る海底金山を持っていますし、アメリカ企業が挙って南米の金脈を探しています。

おまけに石油もたくさん取れるというわけで、現代でも南米は資源と鉱物の宝庫であると言える訳です。

ここ数年で徐々に中国がアルゼンチンと近づいているというのは日本ではあまり報道されませんが、アルゼンチン国内では話題になりつつあります。

アメリカのバリックゴールドやニューモンとなどの金鉱系企業はすでに南米でいくつもの金鉱脈を持っていますが、中国も急いで南米に拠点を作らないといけません。

それはなぜか?

何が起こるかというと半導体戦争に負けてしまう訳ですね。

中国はすでに半導体製造に必要な水資源は日本の水源を爆買いすることで抑えています。

水のETF?
ここ最近水関係のETFが増えています。
PIO, PHO, FIW, CGWなどなど。
それだけマーケットも水を意識しなければいけない時代になっているわけです。
これらのETFは、半導体関連の例えばSOXなどとの相関係数が高いものが多いという印象で、2023年1月時点でも相関係数は日足0.88となっています。

あとはやっぱり金です。

金も半導体製造で重要なパーツとなりえるわけですが、ここを抑えておかないと、半導体製造の基盤とルートを確保できても製造数で負けてしまうというわけですね。

半導体分野で負けてしまうと、これから先にやってくる宇宙開発戦争にも遅れを取ってしまいますし、やはり何より世界一のテクノロジー大国である中国のプライドにも関わる問題になります。

ペーパーハウスでのワンシーン

現在では韓国版が人気を博していますが、オリジナル版のスペインではスペイン銀行にゴールドを盗みにいく際にインカ帝国から奪ったという財宝が眠る部屋が出てきます。

もちろん、金で装着されたものであり、歴史的価値だけでなく、金としての価値も併せ持っているというわけですが、このペーパーハウスでは様々な付加価値的な部分、例えばスペイン人の国民性や、スペインの歴史性、スペイン王国の様子に関わる表現などが表れています。

韓国版をみていないので韓国版でそれらが引き継がれているかはわかりませんが、インカ帝国から奪ったという財宝のシーンでは、スペイン王国がいかにピサロたちが見つけた南米アンデス、インカ帝国のゴールドに心が動かされたのかが垣間見えるようです。

実際にスペイン銀行の地下には大量の金が保有されていますが、これらの何パーセントがインカ由来なのでしょうか。

現在では金本位制は廃止されていますので、金自体に経済的な裏付けは存在しませんが、スペインという国がインカの黄金によって金本位制時代に経済的優位性を持ったことを彷彿とさせてくれるわけです。

ピサロはスケープゴート?

先述のペーパーハウスでも、後半の黄金略奪のシーズンでは有能な刑事がスケープゴートとして吊し上げられます。

これがスペインの伝統芸・・・

といったニュアンス(セリフは正確ではありません)のことも言っていましたが、ペーパーハウスの結末を見ても、スペインの気質というか、政治的な隠蔽工作はなんとなくペーパーハウスから伝わってきます。

各国の気質?!
スケープゴートという名前自体はユダヤが由来となっていますが、例えば日本の場合だと、スペインよりも大々的に宣伝はしないけど、ほんのりスケープゴートを作る気質があります。
これがロシアの場合だと、吊し上げる人物など不要で、単に事故に遭うだけ・・・なイメージがないですか?
ペーパーハウスで描かれているステレオタイプは各国によってそれぞれ存在するわけですね。

ピサロは1536年にカルロス1世に『アタワルパを無実の罪で処刑したとして死刑宣告を出されます。』

結局1541年6月26日にアルマグロの遺児一派にリマで暗殺されたピサロでしたが、ピサロとアルマグロが想定しているより遥かに膨大な黄金を手に入れたようだとし、ピサロとアルマグロは現地で『とんでもないえげつない行為をした。』こんなことスペインとしても許すことはできない。

だから死刑だ。

で、ピサロとアルマグロが開拓したあとにゆっくりと乗り込んでいく。

ペーパーハウスを見た人ならスペイン政府側のやり方と非常に似ていると感じるのではないかと思います。

つまり何がいいたいのかというと、ピサロは本当にアタワルパを処刑したのか、現地で略奪や虐殺を行っていたのか、これらの歴史や記録はスペイン側の都合がいいように作られたものであるわけで、当然ペルーや南米各地にもスペインが作った歴史を輸出しているはずです。

もしかするとコンキスタドールで海賊といっても、ワンピースのルフィみたいなキャラだったかもしれない。

まさにコンフィデンスマンの世界観ですよね。

確証バイアスを常に意識して歴史を学ぶ

というわけで、筆者のような一(位置)音楽家がこういった歴史を学ぶ場合は確証バイアスに陥りやすい傾向があります。

最初に読んだ本を盲信したり、ある学者に心酔するなどなど。

これはあまりにも危険で愚かで、なにより勿体無い。

常に、できることなら180度違う視点から考察してみること。

そしてその上で成り立ったフォルクローレやガウチョなどの文化を綴るために逆算して何が見えるかを芸術家視点で考えること。

何が勿体無いのかといえば、記録と史実を無視して考察できるのは筆者のような非学者にとっての最強の優位性となるわけです。

これは歴史学者では想像することも許されないでしょう。

アートとはファンタジーであり、考古学ではありません。
歴史を勉強しているとついここを忘れてしまいがち。
当サイトでもそういった点に気をつけながら歴史(記録)と文化とファンタジーをしっかり区別して進めていきます。

その優位性を存分に活かして視点を縦横無尽に変えながら考察し綴っていくこと、そして歴史学者の説や論文と照らし合わせて仮説をもって文化をアーカイブしていくこと。

これが音楽家としてできる歴史のアーカイブであり、文化を語ることなのではないかと思うわけであります。

こういう記事、つまり書き手が好き勝手に妄想を膨らませて適当なことを言いたい放題書いていく記事。

検索ではヒットしないでしょうが、見つけた方、懐かしくないですか?

ちなみにヤギ肉はうまい!

最後までありがとうございました。

青いタンゴ礁
青いタンゴ礁編集長
アルゼンチン、アルゼンチンタンゴの情報を発信するアルゼンチン大好きな人のためのメディアサイト。
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