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フォルクローレとは|歴史・楽器・踊りを音の違いから

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フォルクローレとは|歴史・楽器・踊りを音の違いから
目次
  1. フォルクローレとは|その歴史と始まり
  2. スペインの影響?
  3. メルセデス・ソーサとヌエボ・カンシオネーロ運動
  4. フォルクローレの楽器とダンス
  5. 音を決めている6つの楽器
  6. 三つの踊り
  7. フォルクローレの鼓動ボンボを徹底解説
  8. ボンボの特徴まとめ
  9. ボンボの演奏方法と役割
  10. 継続する遺産と進化の旅
  11. フォルクローレを聴く
  12. あわせて読む

アルゼンチンのフォルクローレ音楽は、その豊かな歴史と文化的多様性において、この国のアイデンティティを形作る重要な文化的な要素の一つです。

この音楽ジャンルは、伝統と革新の交差点に位置し、多くのアルゼンチン人にとって心の故郷とも言える場所を提供しています。

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フォルクローレとは|その歴史と始まり

フォルクローレの起源は、アルゼンチンの先住民族とスペインの植民地時代の文化が融合した点にあります。

1950年代以降に、これらの民間伝承的な要素が商業音楽としてのフォルクローレへと変化し始めました。

この時期、ヨーロッパに渡ったアルゼンチンの音楽家たちが、自身のジャンルを「フォルクローレ」として広め、国際的な舞台での注目を集め始めました。

スペインの植民地時代の影響は、確かにアルゼンチンのフォルクローレ音楽に大きく影響を与えていますが、それだけではなく、他の地域の文化も融合しています。

もう少し深掘りして文化をみていきましょう。

スペインの影響?

スペイン文化の影響は、特に楽器や音楽のスタイルに見られます。

ギターのような弦楽器や、ヨーロッパ起源の楽曲構造がフォルクローレに取り入れられています。

例えば6/8拍子のリズムなどは、スペインの音楽、特にフラメンコにおいて見られる特徴の一つです。

先住民族とアフリカの影響

ただし、フォルクローレは単にスペインの音楽を模倣したものではありません。

アルゼンチンの先住民族、例えばケチュア族やアイマラ族などの文化もフォルクローレに大きな影響を与えているのも事実です。

ケチュア族(Quechua)は、南アメリカのアンデス地方に広がる主要な先住民族でかつてインカ帝国の主要な言語と文化を担っていました。

アイマラ族 (Aymara)は主にボリビア、ペルー、チリのアンデス高地に住む先住民族で古代からの伝統と独自の言語を保持しています。

これらの文化からは、さまざまなリズム、楽器(例えばフルートのような吹奏楽器やパーカッション)、歌詞のテーマなどが取り入れられました。

また、アフリカの影響も見逃せません。

アルゼンチンには、アフリカ系のコミュニティが存在し、その文化は音楽にも影響を与えています。

特に、リズムやダンス、一部の打楽器はアフリカの伝統に根ざしています。

アフリカ文化はフォルクローレだけに限らずタンゴにも深く関わっています。

タンゴの語源がタンボールとする説はかなり信憑性があります。

アメリカのジャズ、ラテンアメリカのタンゴ、それぞれ二大民族音楽の発祥起源がアフリカにあるというのは非常に興味深い事実となります。

地域ごとの多様性

また、アルゼンチンは地域によって文化的背景が異なるため、フォルクローレも地域によって様々なバリエーションがあります。

これはエンパナーダという食文化にもいえることでしょう。

フォルクローレに関しては北部では特に先住民族の影響が強く、南部や中央部ではよりヨーロッパの影響が顕著になっている傾向があります。

メルセデス・ソーサとヌエボ・カンシオネーロ運動

メルセデス・ソーサはフォルクローレの伝説的な歌手であり、彼女の音楽はアルゼンチンの政治と文化に深く根ざしています。

彼女は1960年代末に「ヌエボ・カンシオネーロ」運動に参加し、音楽を通じて国民を団結させる役割を果たしました。彼女の音楽は、政治的抑圧に対する強いメッセージを含んでおり、独裁政権下での公演が警察に中断されるなど、多くの困難に直面しました。しかし、その声はアルゼンチンの民衆の心を捉え、「ラテンアメリカの声」として広く愛されました​。

フォルクローレの楽器とダンス

スタンドに載せた薄型のボンボ。革面にマテ壺とバチが置かれ、奥にシンバルがある
ボンボの革面に置かれたマテ壺。演奏の合間の風景です (現地スタッフ撮影)

アルゼンチンのフォルクローレは、その独特の楽器とダンススタイルによって特徴づけられています。

これらの要素は、フォルクローレが持つ深い文化的意義と、多様な歴史的背景を反映しています。

ここからはフォルクローレで使われる楽器についてみていきましょう!

音を決めている6つの楽器

フォルクローレの音は、山の楽器と平地の楽器が混ざってできています。この二つは出自が違い、聴けば区別がつきます。

山から来たのが、ケーナ (quena) とサンポーニャ (siku)、そしてチャランゴ (charango) です。

ケーナは縦に構える笛で、木か葦でできています。尺八と同じく歌口に切り欠きがあるだけの単純な作りで、息の当て方だけで音程も音色も変わります。かすれた倍音が乗るのは、この構造のためです。サンポーニャは長さの違う管を束ねたもので、一本につき一音しか出ません。旋律は複数の管を渡り歩いて作られ、そのたびに息継ぎの気配が音に残ります。

チャランゴは小型の弦楽器で、複弦が5組、計10本の弦が張られています。かつてはアルマジロの甲羅を胴に使いましたが、現在は木製が主流で、種の保護のため甲羅のものは流通しません。音域が高く、和音をかき鳴らすと金属的な粒立ちが出ます。

平地から来たのが、ボンボ (bombo legüero) とギター、そしてバンドネオンです。

ボンボはこの音楽の心臓です。詳しくは次の節で扱います。ギターは伴奏と旋律の両方を受け持ち、チャカレーラでは弦を叩いて打楽器としても使われます。バンドネオンはタンゴの楽器という印象が強いものですが、フォルクローレでも用いられ、歌の背後で和音を伸ばす役目に回ります。

このほか、チャフチャス (chajchas) という打楽器があります。山羊の蹄を束ねたもので、手首を振ると乾いた音が連なります。踊りの足音を音楽の側から支える道具です。

聴き分けの目安はひとつです。笛と高い弦が前に出ていれば山側、太鼓とギターが前に出ていれば平地側。アルゼンチン北西部のサルタやフフイは山側に、中部のサンティアゴ・デル・エステーロは平地側に寄ります。

三つの踊り

フォルクローレの踊りは数十種類ありますが、実際にペーニャ (民謡酒場) で目にするのはほぼ三つです。

サンバ (zamba) は、男女が向かい合って踊ります。手にハンカチを持ち、それを空中で回しながら、相手のまわりを円を描いて歩きます。触れません。近づいては離れ、最後の一拍でハンカチを相手の頭の上にかざして終わります。求愛を型にしたもので、遅い6拍子で進みます。ブラジルのサンバとは無関係で、綴りも samba ではなく zamba です。

チャカレーラ (chacarera) は、明るく速い踊りです。同じく男女が向かい合いますが、足の踏み方が細かく、途中で位置を入れ替えます。楽団が「¡Adentro!」と声をかけたら二番の始まりで、これが入場の合図になります。観光客が輪に入れてもらえるのはたいていこの曲です。地域ごとに手順が違い、サンティアゴ・デル・エステーロのものが基準とされます。

マランボ (malambo) は、男性がひとりで踊ります。上半身をほとんど動かさず、足だけで床を打ちます。速度が上がっていき、拍車の金属音が加わることもあります。ガウチョの技比べが起源で、踊りというより競技に近い性格を持っています。牧場の生活についてはガウチョとは何者かに書いています。

劇場の舞台で、帽子と黒い上着のガウチョの装いをした男性4人が手をつないで回っている
劇場の舞台。帽子に黒い上着、腰に布を巻いたガウチョの装いの4人が、手をつないで輪になって回ります。ペーニャで踊られる型が、劇場では振り付けを加えた舞台作品として上演されています (現地スタッフ撮影)

マランボに関しては青いタンゴ礁の取材映像ではないですが、Youtubeよりこちらの動画が非常に参考になるのでリンクさせていただきました。

これらのダンスは、アルゼンチンの社会と文化の中で重要な役割を果たしています。

サンバやチャカレーラは、コミュニティの絆を強化し、共有される喜びや祝祭の感覚を生み出します。

一方、マランボは個人の技術と力強さを示し、ガウチョの伝統とプライドを表現しています。

こちらは青いタンゴ礁がルハンで撮影した現地のフォルクローレの様子。

フォルクローレの鼓動ボンボを徹底解説

アルゼンチンのフォルクローレ音楽の中心とも言える楽器、ボンボ。

この楽器は、フォルクローレのリズムの鼓動として、音楽に深い力と情熱を吹き込みます。

この力強い打楽器は、アルゼンチンの先住民族によって作られ始めたとされており、彼らは自然の素材を利用して儀式や祭りで使用する楽器を作り出しました。

初期のボンボは、木製のフレームに動物の皮を張ったシンプルな構造。

力強いリズムを生み出すためだけに設計された原始的な打楽器でした。

スペインの植民地時代に入ると、ヨーロッパの楽器製造技術が導入され、ボンボのデザインにも大きな影響を与えました。

この時期、ボンボはより洗練された楽器としての特徴を持ち始め、アルゼンチンの音楽文化において重要な位置を占めるようになりました。

特に19世紀から20世紀にかけて、フォルクローレ音楽が形成される中で、ボンボはその主要な楽器として確固たる地位を築いていきました。

ガウチョの音楽やダンスにおいて、ボンボのリズムと響きが重要な役割を果たし、フォルクローレの核となる部分を形成していきます。

丸く深いボディを持つものが一般的ですが、実は携帯用のボンボとしてこのような薄型のものも作られています。

薄型の携帯用ボンボを横から見たところ。獣毛を残した革が張られている
薄型の携帯用ボンボ。獣毛を残した革をそのまま張っています (現地スタッフ撮影)

ボンボの特徴まとめ

  1. 構造と素材:
    • 伝統的には木製の体と動物の皮で作られる。
    • 丸く深い体が、特徴的な低音を生み出す。
  2. リズムの中核:
    • ボンボはフォルクローレ音楽において、リズムの基盤を形成。
    • その強力なビートは、ダンスとの同調を促し、曲の感情を高める。
  3. 文化的な意義:
    • ボンボは、アルゼンチンの伝統とアイデンティティの象徴。
    • ガウチョの文化やアンデスの先住民族の影響を反映。

ボンボの演奏方法と役割

  1. 演奏技法:
    • 手やスティックを使って演奏される。
    • リズムの強弱や速さで、曲の感情を表現。
  2. 音楽の集合体としての役割:
    • ボンボは他の楽器や歌と調和し、音楽に一体感をもたらす。
    • 音楽の中で、リズムの変化によって感情の流れを導く。

青いタンゴ礁の現地スタッフの一人であるピアナ・ナッチョが実際に解説している携帯型ボンボのサウンドをこちらでお楽しみいただけます。 ナッチョはフォルクローレ研究の専門家であり、現地の本物のフォルクローレを体験することができます。

継続する遺産と進化の旅

フォルクローレ音楽は、その伝統的なルーツを維持しつつ、現代の要素と融合することで新たな息吹を得ています。

特に若い世代のミュージシャンたちは、伝統的な楽器と現代的な技術や音楽理論とを組み合わせ、新しい音楽スタイルを探求しています。

これにより、フォルクローレ音楽は新しい聴衆に向けてさらに魅力的なものへと進化しています。

この記事をきっかけにフォルクローレに興味を持った方は是非青いタンゴ礁をフォローしてください。

フォルクローレとは何ですか

南米各地の民族音楽の総称で、アルゼンチンでは北西部アンデス地方の伝統音楽を中心に、サンバやチャカレラなどの形式を含みます。ケーナやチャランゴ、ボンボといった独特の楽器で演奏され、タンゴと並ぶアルゼンチン音楽のもう一つの魂です。

フォルクローレで使う楽器には何がありますか

縦笛のケーナ、小型弦楽器のチャランゴ、太鼓のボンボ・レグエロ、ギターが代表的です。本文でそれぞれの由来と音色を解説しています。

タンゴとフォルクローレはどう違いますか

タンゴがブエノスアイレスの都市 (港町) の音楽であるのに対し、フォルクローレは内陸の農村と山岳の音楽です。リズムも楽器も異なりますが、どちらもアルゼンチンの魂と呼ばれています。タンゴの全体像は「タンゴとは何か」の記事でまとめています。

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