エンパナーダとは|中身の見分け方と、焼きと揚げの違い

目次
- 中身の種類
- 縁の模様で中身がわかる
- 焼きと揚げ
- 食べ方
- 家で作りたい方へ
- La Cocina(カタマルカ風)
- Peña La Morena(サルテーニャ風)
- La Morada(トゥクマン風)
- La paceña(ボリビア風)
- El Sanjuanino(半世紀以上の歴史)
- El Hornero(サンテルモ市場の宝石)
- El imperfecto(パレルモ風サルテーニャ)
- El Banco Rojo(エンパナーダとビール)
- Empanadas Salteñas(地元の小さな店)
- El Gauchito(リオハ風)
- Roma del Abasto
- Empanadas Tremendas
- Costumbres Criollas
- 家でエンパナーダを作る
- よくある質問
- あわせて読む
エンパナーダとは、具を包んで焼く (または揚げる) 南米の定番料理です。アルゼンチンでは牛肉、鶏肉、ハム&チーズ、ウミータ (とうもろこし) などの中身があり、包み方の縁の模様 (レプルゲ) で中身を見分けます。州ごとに流儀が違い、サルタ風・トゥクマン風は特に有名です。この記事では、本場ブエノスアイレスで実際に食べ歩いた名店とともに、エンパナーダの全体像を解説します。

アルゼンチンのエンパナーダは、その歴史と文化に深く根差した料理です。
起源はスペインの移民がもたらしたと言われ、アルゼンチンの各地域で異なるバリエーションやレシピが生まれました。
この小さなパイのような料理は、肉、野菜、時には果物を詰めて焼かれ、各地域の伝統的な家庭の味を再現しています。
地方ごとの特色を持ち、シンプルながら奥深いこの料理は、アルゼンチンの人々の生活と心に溶け込んでいるのです。
毎年エンパナーダの全国大会も開催されるほど。
アルゼンチン人は自分の地元のエンパナーダがアルゼンチン1美味しいと全員が思っています。
しかし、決してそんなことはありません。
ここで紹介するエンパナーダのお店はそれぞれの地域の特色や特徴を活かした独特の風味を体験することができますが、どれもそれぞれ個性があり、美味しいエンパナーダです。
編集部はどれが一番なんて決められません。
是非実際に食べてみてみなさんにとっての1番を決めてきてください!
中身の種類
アルゼンチンのエンパナーダは、中身で呼び分けます。店の黒板にはスペイン語だけが並ぶので、この5つを覚えておくと注文で困りません。
| スペイン語 | 読み | 中身 |
|---|---|---|
| carne | カルネ | 牛ひき肉。玉ねぎ、ゆで卵、オリーブが入る |
| jamón y queso | ハモン イ ケソ | ハムとチーズ |
| pollo | ポジョ | 鶏肉 |
| humita | ウミータ | とうもろこしのクリーム煮 |
| verdura | ベルドゥーラ | ほうれん草とホワイトソース |
carne はさらに carne cortada a cuchillo (包丁で切った肉) と分かれることがあります。ひき肉ではなく角切りで、噛んだときの手ごたえが違います。値段は少し上がりますが、専門店ではこちらが看板です。
甘いものもあります。dulce de leche (ミルクジャム) や membrillo (マルメロのペースト) を包んだもので、食後に出てきます。ドゥルセ・デ・レチェはアルゼンチンの台所に必ずある材料です。
縁の模様で中身がわかる
エンパナーダの縁には、ひだが寄せてあります。これをレプルゲ (repulgue) と呼びます。
これは飾りではありません。中身を見分けるための印です。同じ皿に何種類も並ぶため、開けずに区別できる必要がありました。
ひだの数、寄せる向き、端の折り返し方を変えて、店ごとに符丁を決めます。carne は縄目のように編み、jamón y queso は三つ折り、humita は縁をフォークで押さえる、といった具合です。ただし全国共通の規則はなく、店によって割り当てが違います。
包み方だけを見て中身を当てられるようになると、地元の人に一目置かれます。焼き上がりを店員が皿に並べるとき、指で数えているのはこの印です。
焼きと揚げ
al horno (アル オルノ) が窯焼き、frita (フリータ) が揚げです。
ブエノスアイレスの店は焼きが主流です。生地が薄く、表面に軽く焦げが入ります。揚げは北西部、特にトゥクマンやサルタで多く、生地に牛脂を練り込んで揚げるため、噛むと層が割れます。
同じ「エンパナーダ」でも、この二つは別の食べ物と考えたほうが近いです。旅行で両方を食べ比べられるのは、ブエノスアイレスに各州の郷土料理店が集まっているからです。この記事で挙げる店は、その地域名で選べるようにしてあります。
食べ方
手で持って食べます。皿もフォークもいりません。
熱いので、まず角を少しかじって蒸気を逃がします。ここを飛ばすと、肉汁で口の中をやけどします。地元の人が最初の一口を小さくかじるのは、そのためです。
一人あたり3つから4つが目安です。飲み物は赤ワインかビール。昼食では、これだけで一食になります。
家で作りたい方へ
生地から作る手順と、州ごとのレシピはエンパナーダの地域別レシピ集にまとめました。冷凍の生地 (tapas para empanadas) が日本でも手に入るようになり、中身だけ作れば形になります。
La Cocina(カタマルカ風)
1977年から続くカタマルカ風エンパナーダの老舗。
厚めの黄色い生地にバターとスパイスを加え、豊富でジューシーな具材を使用しています。肉だけでなく、ピカチュウ(チーズと辛い玉ねぎ)やパスクアリーナ(ほうれん草と卵)も人気です。
Peña La Morena(サルテーニャ風)
サルタ州を代表する小さくてジューシーなエンパナーダを提供する店。
オーブン焼きまたは揚げ、肉やチーズと玉ねぎの具材があります。週末の夜は予約がおすすめです。
La Morada(トゥクマン風)
1999年にカタマルカ地方の料理に特化した店としてオープンしました。
特に、手切りの肉やチーズ、そして「Picachu」と呼ばれる辛いチーズと玉ねぎのエンパナーダが人気です。
カタマルカ地方の特徴である、じゃがいもを加えたレシピが特徴的です。
La paceña(ボリビア風)
伝統的なボリビア風のエンパナーダ。
厚くて甘い黄色い生地を使用し、辛い肉、鶏肉、チーズと玉ねぎの具材が特徴です。
El Sanjuanino(半世紀以上の歴史)
オーブン焼きまたは揚げの肉エンパナーダが有名。他にもフミータや野菜のエンパナーダもあります。
El Hornero(サンテルモ市場の宝石)
サンテルモ市場内にある店で、目の前で調理されるエンパナーダ。
オーブン焼きの肉や揚げたじゃがいも入りのエンパナーダがおすすめです。
El imperfecto(パレルモ風サルテーニャ)
2020年にオープンしたお店。
店内は田舎の家を思わせる温かみのある雰囲気で、すべての料理は木と泥のオーブンで調理されます。
メニューは北部サルタ地方の影響を受けており、エンパナーダはチーズまたは肉の2種類のみ。
特にチーズのエンパナーダは伝統的なレシピに忠実に再現し、揚げて提供されます。
El Banco Rojo(エンパナーダとビール)
エンパナーダの新しいスタイルを提供する店。
羊肉の辛いエンパナーダや、他にもブラッドソーセージ、豚肉、カボチャ、ほうれん草とひよこ豆の具材があります。
Empanadas Salteñas(地元の小さな店)
地元の雰囲気を味わえる小さな店。
良い生地と美味しい具材を使用したサルテーニャ風エンパナーダが特徴です。
El Gauchito(リオハ風)
サン・テルモ地区にあり、プエルト・マデロから約0.9kmの距離にあります。
主にアルゼンチン料理と南米料理を提供しており、ランチとディナーの両方で営業しています。
テイクアウトのオプションも利用可能です。
店の評価はトリップアドバイザーで4.5と高く、ブエノスアイレスのレストラン4,507軒中712位に、南米料理1,913軒中106位にランクされています
Roma del Abasto
この店は元々二人のアストゥリアス人によって経営されていましたが、その後四人のパートナーが引き継ぎ、新たなメニューを提案しました。
店はSan LuisとAnchorenaの角に位置しており、特徴的な石焼きオーブンを備えています。
提供されるエンパナーダは大きく、具沢山で美味しいと評判です。
メニューには、ナイフで切った柔らかい肉、辛い肉、木火で焼いたチキン、ハムとチーズ、野菜、ヴィーガン向けのチョコ、チーズとオニオンなどが含まれています。特に辛い肉とチキンのエンパナーダが好評です。
Empanadas Tremendas
2017年にオープンしたこの店は、創造的なエンパナーダを提供しています。
特に「Vacío al malbec」や「pollo jalapeño」など、ユニークな味わいが楽しめます。
毎月限定の新しい味も提供しており、季節や素材に合わせたメニューが特徴です。
Costumbres Criollas
22年の歴史を持つ家族経営の店で、エンパナーダと地域料理に特化しているこの店はブエノスアイレスのレストラン4,507軒中749位にランクされており、トリップアドバイザーでの評価は4.0です。
主にラテン料理とアルゼンチン料理を提供し、ディナーとランチのサービスがあります。
さらに、宅配、テイクアウト、座席の提供、アルコールメニュー、テーブルサービスなどの特徴もあります。サンマルティン広場からは約0.4kmの距離にあります。
特に人気のあるのは、手切りの肉、7種のチーズとチャイブの「tambo」、そして「humita」のエンパナーダです。
注文を受けてから焼き上げるため、いつでも新鮮な味わいを楽しめます。
ブエノスアイレスでのエンパナーダ探訪は、まるで温かい抱擁のような体験です。
この街の小さなお店で出会うエンパナーダ一つ一つには、アルゼンチンの暖かさと豊かな文化が込められています。
手作りの味わい、心を込めたおもてなし、そして様々な具材のハーモニーは、訪れる人々に忘れがたい思い出を残すでしょう。
この記事で紹介した11軒のお店は、ただ美味しいだけでなく、心にも響く特別な場所です。
エンパナーダの誘惑に身を委ね、ブエノスアイレスの街を歩きながら、その魅力を存分に堪能してください。
家でエンパナーダを作る
よくある質問
エンパナーダとはどんな料理ですか
具を生地で包んで焼くか揚げる南米の定番料理です。アルゼンチンでは牛肉・鶏肉・ハムチーズ・とうもろこしなどの中身があり、縁の包み模様 (レプルゲ) で中身を見分けます。
エンパナーダは焼きと揚げのどちらが本場ですか
地域によります。ブエノスアイレスはオーブン焼きが主流で、北西部のサルタやトゥクマンでは揚げも定番です。どちらも本場の味です。
エンパナーダの中身で定番は何ですか
カルネ (牛肉) が王様です。玉ねぎ・ゆで卵・オリーブ入りが伝統形で、州により干しぶどうを入れる流儀もあります。次いで鶏肉、ハム&チーズ、ウミータ (とうもろこしのクリーム) が定番です。
日本でエンパナーダは作れますか
作れます。餃子の皮より厚いパイ生地または市販のエンパナーダ用生地を使い、炒めた牛肉と玉ねぎ、ゆで卵、オリーブを包んでオーブンで焼くのが基本形です。