アルゼンチン料理の定番『エンパナーダ』を徹底解説

アルゼンチン料理といえば、チョリパンやトルティージャにフガセッタと様々ありますが、中でもエンパナーダは最も生活に密着した料理と言っても過言ではないかもしれません。
本日はそんなアルゼンチン人のソウルフードであるエンパナーダを徹底解説。

Empanadaの語源

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{パンで覆う、包む} という意味のスペイン、ポルトガル語の動詞「empanar(エンパナール)」から派生しました。

一般的にはウマイヤ朝のイベリア半島支配時代にスペインとポルトガルで普及したペイストリー「muaajanat」が起源との説が有力です。

ウマイヤ朝661年〜750年まで続いたイスラム史上最初の世襲イスラム王朝。

アルゼンチンのエンパナーダ

エンパナーダ自体はアルゼンチン固有の料理というわけではなく、ラテンアメリカ全体に分布しており、国をまたいでいろんな形態に変化していく感覚で日本語的に言うと、『団子』とか『餃子』といったニュアンスです。

アルゼンチンでは前菜やコース料理、さらには気軽に食べれる夜食としても日常生活と密着しており、州によってレシピが違っているんです。

自分の地元のエンパナーダはやっぱり誇りとなっており、アルゼンチン人はみんな地元のエンパナーダが一番美味しいと自信を持ってお薦めしてくれます。

NetflixNetflixのフード系ドキュメンタリー『ストリート・グルメを求めて』の第一回目はアルゼンチン・ブエノスアイレス編。
エンパナーダの様子もしっかり楽しめます。

アルゼンチン流の作り方

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基本となる生地は小麦粉とラードで成形します。

この辺りの塩梅も州によって若干の違いがあり、口にした時の食感に大きな差が出てきます。

具は鶏肉を入れる地域、牛肉の地域、またスパイスを思いっきり効かせてキーマカレーを詰め込んだようなエンパナーダを作る人もいます。

トゥクマン州のレシピ

トゥクマン州はファマイリャ市にて全国エンパナーダフェスティバルが開催されるほどエンパナーダが大好きな街。

このエリアのレシピは牛肉、牛肉の内臓、鶏肉がベースとなる3種類のエンパナーダとなっており、牛の内臓と鶏肉がこの州の正当なレシピとされています。

生地は穀粉、水、ラードのみで成形され、肉類は3ミリの粗挽きで下調理されます。

トゥクマン州は焼いて仕上げますが、中の具は肉汁をしっかり吸わせるために必ず一度冷ましてから包み焼きにしていきます。

アクセント具のアクセントとして中南米が原産のオールスパイス(ピメント)が香辛料として加えられ、ネギが加えられることもあります。
トゥクマン州のエンパナーダでジャガイモや豆、オリーブなどが使われることはほとんどありません。

サルタ州のレシピ

チリととても近いサルタ州では牛肉の他にヤギの肉が使われるところが特徴。

ジャガイモも豊富に使われており、赤唐辛子をたっぷり使って味を調整していくのも特徴となっています。

日本ではヤギ肉が好きな方は試してみたいですよね。

他にはフフイ州でもヤギ肉が使われており、サルタと近いエンパナーダとなっています。

コルドバ州のレシピ

コルドバ州のエンパナーダはジャガイモをベースにレーズン、さらに砂糖を加えて甘めに仕上げるのが特徴。

パイのような感覚でしょうか。

おやつにも最高ですよね。

エントレ・リオス州のレシピ

エントレ・リオス州に初めて入植したのは、チャルーア族と神様からマテ茶を授かったと伝えられるグアラニー族。

【神話】マテの葉っぱに伝わる素敵な物語

1520年にスペイン人がこの地に足を踏み入れたという歴史もあり、ちょっぴりパエリア的なエンパナーダとなっています。

このエリアでは牛乳に浸した米を詰めて作ります。

焼きそばパンを彷彿とさせるダブル炭水化物全開なエンパナーダとなっています。

ラ・パンパ州のレシピ

有名なタンゴミュージシャンも多数輩出するラ・パンパ州は、ブエノスアイレス、コルドバ、メンドーサ、そしてパタゴニア各地域の交差するエリアにもなっており、エンパナーダのレシピも非常に多様的となっています。

赤トウガラシ、ニンジン、固ゆで卵、干しぶどうなどが使われ、各地域のいいとこ取りクオリティーを高めっていく感じです。

パタゴニア〜南アルゼンチンエリア

パタゴニア地方から南に行くにつれて羊肉が使われるようになり、海岸地域では魚やシーフードを使ったレシピになっていきます。

このようにエリアによって様々な味のエンパナーダがあり、もちろん家庭によってもオリジナルの味があり、いつまで食べ続けても飽きないアルゼンチン料理となっています。

ブエノスアイレスの家庭レシピ(準備中)

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Kotaro Studio
Kotaro Studio『誰かのためにただここに在る』
金田式バランス電流伝送DC録音の遺伝子を受け継ぐ音響エンジニア・音楽プロデューサーの服部 洸太郎が運営する『旧・芸術工房Pinocoa』の『Kotaro Studio』が企画運営しています。
青いタンゴ礁では、『アルゼンチンタンゴのすべて』をテーマにタンゴの歴史やマエストロの紹介、またタンゴを作ってきたアルゼンチンの文化や歴史、さらにはインカ帝国時代まで遡って研究しています。
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