アルゼンチンの各エリアごとの原住民族
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1535年にペドロ・デ・メンドーサが14隻の大船団と約2000人の乗組員、150人のドイツ兵、牛馬を連れてラプラタに入植するまで、現在のアルゼンチンでも多数の原住民族が生活していました。
その中でも特に大規模な部族をまとめていきます。
この記事を担当:こうたろう
1986年生まれ
音大卒業後日本、スウェーデン、ドイツにて音楽活動
その後金田式DC録音のスタジオに弟子入り
独立後芸術工房Pinocoaを結成しアルゼンチンタンゴ音楽を専門にプロデュース
その後写真・映像スタジオで音響担当を経験し、写真を学ぶ
現在はヒーリングサウンド専門のピアニスト、音響エンジニア、フォトグラファーなどフリーランスのマルチメディアクリエーターとして活動中
当記事ではアルゼンチンタンゴを知るためのコアな知識を考察していきます
北部エリア
北部のエリアでは現在でも首都ブエノスアイレスとは少し様子が違う文化を感じることができます。
フフイ地方やサルタ地方などの北西部から中部にかけて、非常に高度な文明を持ったケチュア族に分類されるディアギータ族やカルチヤキー族が居住していました。
これらのエリアの部族はインカ帝国の影響を多大に受けていますが、インカ帝国以前から独自の文化を発展させていたとも言われています。
ディアギータ族はディアギータ語を持っていたと言われていますが、現在は部族ごと消滅しており、ディアギータ語の様子は残されていません。
2023年にKotaro Studioでアーカイブしたフォルクローレのリズムシリーズは、北部の中でもとても有名な6種類のリズムをアーカイブしています。
- サンバ
- クエカ
- チャーシャ
- ビダーラ
- カルナバリート
- チャカレラ
こちらの映像でフォルクローレの第一人者が演奏するリズム解説がありますので、是非チェックしてください。
チャカレラのみ、演奏パフォーマンスのモデルがあります。
少し専門的な内容になっていますが、アルゼンチン北部の伝統音楽を知る上では非常に貴重な資料となっています。
パラナ河流域
このエリアはマテ茶の栽培で有名なグアラニー族が中心のエリア。
狩猟、漁業に精通し、性格は荒々しく戦闘的であると言われています。
食人文化があったことも特徴の一つです。
南部エリア
マプチェ族(コンキスタドールのスペインへの報告にはアラウカノ族(Araucanos)と表記)はアンデス山脈を境界に、チリからアルゼンチンの南部にまたがって居住。
一部の人々は東部の平原にまで侵入していたと言われています。
コルドバの南部にはパンパ族、その南にはパタゴーネス族がいました。
ただし、この二つの部族は石器時代に近いレベルの暮らしをしていたと伝えられています。
コンキスタドールと長期の抵抗戦
多くの部族の中でもマプチェ族は大規模な部族であり、南アメリカ南部を長い間支配していました。
インカ帝国を征服しにきたスペインのコンキスタドールに対しても最も長く抵抗を続けた民族として有名です。
コンキスタドールが南アメリカ大陸に足を踏み入れてから500年以上抵抗し続け、「抵抗する民」としての異名を持ちました。
牧畜と農業を中心に暮らしており、、ロンコ(Lonko)と呼ばれる首長のもとで血縁関係を単位とした社会を構成しています。
マプチェ族では、音楽を儀式の一環として演奏します。
木製の笛ピフィルカ(Pifilca)、角のホルン・トゥルトゥルカ(Trutruka)、片面太鼓クルトゥルン(Kultrun)、口琴トロンペ(Trompe)など固有の楽器を使い、列になって演奏しながら祭壇を廻る儀式があります。
この他にも、語り調の歌も特徴的で現代でも伝承されています。
パンパ地方
パンパ地方では北西部に比べると先住民族の数は少なく、ケランディー族、テイブー族などがいます。
彼らはスペイン人に最後まで抵抗し、征服者に強い抵抗を見せたためスペイン人からは大変恐れられていたと言われています。