【今週の1枚】Orquesta Color Tango “Todo Terreno”

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1989年にロベルト・アルバレス率いる「コロールタンゴ」発足以来、世界各地のタンゴシーンでそのアンサンブルや、タンゴの魅力を発信し続けたバンドからの1枚をご紹介!

Orquesta Color Tango 「オルケスタ・コロール・タンゴ」

「コロール・タンゴ」とロベルト・アルバレス

正式名は、オルケスタ・コロール・タンゴですが、「コロール・タンゴ」として呼ばれている。

タンゴの音楽家だけでなく、ダンスをする方にも大人気のバンドで、

毎年行われているタンゴ世界選手権のステージ部門でも、

選択曲としてコロールタンゴの曲を選ぶダンサーも多い、そんなバンドです。

1989年より、バンドネオン奏者のロベルト・アルバレス氏 (Roberto Alvarez)が創設者となり、

コロール・タンゴは始動しました。

コロール・タンゴオフィシャルサイト

コロール・タンゴまで

ロベルト・アルバレスは、自身のバンドを作るまでは、

オスバルド・プグリエーセ楽団のバンドネオン奏者として1979年に入団し、

1984年からは、オルケスタの第一バンドネオン奏者として、バンドサウンドを引っ張っていきました。

プグリエーセ楽団入団の時の小話ロベルト・アルバレスにとってプグリエーセ楽団の入団のオーディションの話が来るなんて夢のような話!オーディションの日のために、自分で頑張って編曲したタンゴを準備して、臨んだのでありました。
その曲を見事に披露した後、プグリエーセは「見事だ!」とコメントしたのですが、「でも・・・」とつづき、「もっとタンゴらしい曲弾けないの?」と一言。
難しい技巧を組み込んだアルバレスのタンゴは、プグリエーセにとっては”タンゴ”ではなかったようで、アルバレスは驚いて、どうしようかと思ったそう。
少し考えたのち、メロディを覚えていた一曲を即興で演奏。
「そうそう!こう言うのが聞きたかった!」とプグリエーセ様ご満悦で、見事合格!を果たした。

プグリエーセ楽団では25曲のロベルト・アルバレスの編曲したレパートリーが演奏されていた。

ちなみに!プグリエーセ楽団のメンバーは時代と共に変わっていっているのも特徴的。以前の記事でおすすめしたオスバルド・ルジェーロもプグリエーセ楽団出身。

オスバルド・ルジェーロのオマージュ作品についての記事はこちら!

現在のコロール・タンゴ

2022年のある日、突然ロベルト・アルバレスが引退するニュースが飛び込んできた!

「夜遅くのミロンガなどの演奏に行くのが大変になったために、もう演奏活動はせず、スタジオに来てくれる少数の生徒にレッスンを続けるくらいの活動にします」

まだまだ彼の現役演奏が聴けると思っていたので、多くの人が残念に思い、その投稿にはたくさんのコメントが寄せられた。

ロベルト・アルバレスの後任として、以前から代役を勤めていた、Ramiro Boero (ラミロ・ボエロ)が後を受けつづこととなり、

年末まで、ライブスケジュールも決まってきているようです。

ライブスケジュールを確認!こちらから!

今週の1枚 “Todo Terreno”

そんなコロール・タンゴの2010年のアルバムをご紹介!

副題として「Con Estilo para Bailar」(踊るためのスタイル)となっている。

収録曲は、ダンスに最適な編曲でコロール・タンゴらしさが溢れた1枚。

トラディショナルなタンゴから、ロベルトのオリジナル曲までが収録されています。

メンバーは、全8名。バンドネオン2名、バイオリン2名、ピアノ、コントラバス、ボーカル、バスクラリネット、キーボードで構成されており、

ボーカルがキーボードと時々トランペットも担当しています。

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ちなみに、実は、ロベルト・アルバレスは、若き頃、トロンボーンも演奏していただぺん!

プグリエーセ楽団から引き継いでいる、アルバレスの絶妙な切れ具合、ひびき具合のバンドネオン。

そして、彼率いるバンドの豊かなサウンド、タンゴをぜひ聞いてみてください!

筆者のバンド「バリオ・シノ」がロベルト・アルバレス氏をゲストに迎えて収録した曲「フェステハンド」。

やはり、ロベルトの刻みが加わると、バンドの音色さえ、変えてしまいます。

レコーディングの際の1枚。

Tango blue

ロベルト・アルバレス氏の「Ma y Pa」をピアノソロバージョンでも演奏してみました。