ブエノスアイレスの歩き方|地区ごとの性格と3日間の回り方

目次
ブエノスアイレス (Buenos Aires) は、スペイン語で「良い空気」を意味する、アルゼンチンの首都です。19世紀の繁栄が残したパリ風の街並みから「南米のパリ」と呼ばれ、タンゴが生まれ、世界一の牛肉が焼かれ、深夜まで人々が語り合う街。この記事は、この街で暮らしてきた当サイトのチームによる完全ガイドです。
ブエノスアイレスとは
名前はスペイン語で「良い空気」という意味で、船乗りの守護聖母に由来します。市域におよそ300万人、都市圏まで含めると1,500万人が暮らす南米有数の大都市です。
この街を理解する鍵は移民です。人口の6割以上がイタリア系のルーツを持っています。カフェとピザとジェラートの水準が異様に高いのは、そのためです。
日本との時差はちょうど12時間。気候は温帯で四季があり、季節は日本と逆になります。

地区 (バリオ) ごとの歩き方
ブエノスアイレスは「バリオ」と呼ばれる地区の集合体で、通り一本で表情が変わります。主要バリオの性格を知ることが、この街の歩き方のすべてです。

| バリオ | 性格 | 見どころ |
|---|---|---|
| パレルモ | 緑と食の中心。治安も良好 | 公園群、日本庭園、パリージャ、カフェ |
| レコレタ | 高級住宅街と芸術 | レコレタ墓地、美術館、書店エル・アテネオ |
| サン・テルモ | 石畳とタンゴの古い街 | 日曜のフェリア、タンゲリーア |
| セントロ | 政治と歴史の中心 | オベリスコ、五月広場、大統領府 |
| ラ・ボカ | カラフルな港町 (要注意エリア) | カミニート、ボカ・ジュニアーズのスタジアム |
| プエルト・マデロ | 再開発された湾岸 | 夜も歩ける遊歩道、高級レストラン |
カミニートは「歩ける範囲は観光区画だけ」、レティーロ駅周辺は近寄らない、が鉄則です。エリア別の安全度は治安ガイドの地図で確認してください。
3日間の観光モデルコース
1日目: 歴史の中心とタンゴの夜
午前は五月広場と大統領府 (カサ・ロサダ) から。カテドラルにはサン・マルティン将軍の霊廟があります。午後はオベリスコと世界で最も美しい書店の一つエル・アテネオへ。夜はタンゲリーアでディナーショー。送迎付きを選べば治安の不安なく夜を楽しめます。
2日目: サン・テルモとラ・ボカ
日曜ならサン・テルモのフェリア (蚤の市) が最優先です。骨董と路上タンゴの街歩きを楽しみ、午後はタクシーでカミニートへ。カラフルな家並みは観光区画の中だけを歩きます。夜はパリージャ (ステーキハウス) でアサードを。
3日目: パレルモとレコレタ
午前はレコレタ墓地 (エビータの墓) と書店巡り。午後はパレルモの公園と日本庭園、夕方はカフェでメディアルナを。夜はミロンガを覗くか、2度目のパリージャへ。
日数に余裕があれば、4日目に近郊の聖地ルハンかティグレのデルタ、あるいは国内線でイグアスの滝へ。

この街は胃袋で回っている
中心にあるのはアサードです。牛肉の文化としては世界の頂点にあり、注文の仕方から覚える価値があります。ステーキハウス完全ガイド と 部位のスペイン語 で準備してください。
そのすぐ隣に、イタリア移民が残したピザとジェラートがあります。どちらも本国と張り合える水準です。ピザ5選 と ジェラート10選 に店を挙げました。
朝はカフェ・コン・レチェとメディアルナ。これがこの街の合言葉です。カフェ10選 から選んでください。街角ではエンパナーダとチョリパンが日常の食事になります (エンパナーダの店11選、チョリパン)。
そして公園で回し飲みされているのがマテ茶です。観光の対象というより、ここでは生活の風景そのものです (マテ茶完全ガイド)。
この街が世界に贈ったもの、タンゴ

タンゴはこの街の港で生まれました。観るなら タンゲリーア8選、知るなら タンゴとは何か、聴くなら 名盤ライブラリー、踊るなら ミロンガの作法。歌詞の言葉は ルンファルド辞書 で引けます。
どこに泊まるか
この街は地区で性格がはっきり分かれます。宿は場所選びがほぼすべてです。
レコレタは、最も安心して歩ける地区です。街路樹の並ぶ広い通りに、19世紀末から20世紀初頭の建物が残ります。夜も人通りがあり、初めての滞在ならここが無難です。値段は高めです。
パレルモは、若い人が集まる地区です。飲食店とバーが密集し、深夜まで開いています。パレルモ・ソーホーとパレルモ・ハリウッドに分かれ、前者が店、後者が住宅寄りです。歩いて食事に出たいならここになります。
サンテルモは、石畳と骨董の地区です。日曜のフェリアと、古いミロンガがあります。雰囲気は最も濃いのですが、夜の人通りが急に減る通りがあります。宿を取るなら大通りに面した側を選んでください。
ミクロセントロは、官公庁と会社の集まる中心部です。平日の昼は人で埋まりますが、夜と週末は無人になります。安く泊まれますが、滞在の場所としては勧めません。
プエルトマデロは、再開発された水辺の地区です。新しく、安全で、値段も高い。ただし街の生活からは離れています。
海外の宿を日本語で予約できるサイトです。ブエノスアイレスは地区で性格が大きく変わるため、地図から地区を指定して絞り込めるのが向いています。ホテルのほかアパートメントや民泊も扱いがあり、1週間以上の滞在では選択肢が広がります。予約は即時確定で、24時間の日本語サポートがあります。
地図から地区を指定して絞り込めます。上に挙げた地区の名前で探すと、同じ値段でも立地の差がはっきり見えます。
アパートメントという選択肢
ブエノスアイレスでは、短期の賃貸アパート (departamento temporario) が広く使われています。
台所と洗濯機が付いていて、1週間以上の滞在ならホテルより安くなることが多いです。この街は外食の頻度が高い一方、朝食を自分で作れるだけで支出が変わります。長期の滞在者や家族連れは、たいていこの形を取っています。
注意点がひとつあります。物件によっては、支払いを現金のドルで求められることがあります。事情はアルゼンチンペソのブルーレートに書いたとおりで、この国では現金の持つ意味が違います。予約前に支払い方法を確認してください。
海外の宿を日本語で予約できるサイトです。ブエノスアイレスは地区で性格が大きく変わるため、地図から地区を指定して絞り込めるのが向いています。ホテルのほかアパートメントや民泊も扱いがあり、1週間以上の滞在では選択肢が広がります。予約は即時確定で、24時間の日本語サポートがあります。
アパートメントや民泊の扱いもあります。1週間以上の滞在なら、台所と洗濯機の有無で絞り込んでみてください。
予約するときに見ること
エレベーターの有無を確認します。古い建物は5階でも階段だけということがあります。スーツケースを持って上がることになります。
窓が中庭に面しているかも見てください。大通りに面した部屋は、夜まで車の音が入ります。この街の交通量は日本の感覚を超えます。
そして、湯の出方です。古い建物はガス湯沸かし器が個別に付いており、水圧が落ちると止まることがあります。口コミでこの点に触れているかを見ると、建物の状態がわかります。
滞在中の移動はタクシーとアプリ配車と地下鉄で足ります。空港からの行き方はエセイサ国際空港から市内への行き方にまとめました。
移動はアプリ配車と地下鉄と徒歩で足りる

夜のコレクティーボは、慣れないうちは避けたほうが無難です。前面の行き先表示で系統と方向を確かめてから乗ります。

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アプリ配車が旅行者の基本です。夜は必ずこれで移動します
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地下鉄 (スブテ) とバス (コレクティーボ) は SUBEカードで。日中の移動費は驚くほど安く済みます
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石畳と並木の街は歩くほど発見があります。ただし歩きスマホは厳禁です
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地下鉄完全ガイド / バスの乗り方 / タクシーとアプリ配車 / 空港から市内へ
日曜はフェリアの日
この街の日曜は、平日とまったく違う顔になります。サンテルモのプラサ・ドレーゴを軸に、デフェンサ通り沿いへ1.5kmにわたって露店が続きます。骨董、古いマテ壺、レコード、革小物。値段の交渉も文化の一部です。

もうひとつ、市の外れのマタデーロスでは、ガウチョ文化の日曜市が開かれます。屋台の炭火アサードとフォルクローレの生演奏があり、観光客より地元の家族連れが多い場所です。詳しくは フェリア厳選8選 にまとめました。
ブルーレートという、もう一つの為替
この街の物価は、公式レートと実勢レート (ブルーレート) のどちらで替えるかで別世界になります。仕組みを理解してから両替してください。今日のレートは毎日更新しています。

値札はペソで書かれています。どちらのレートで替えたかによって、同じ棚が高くも安くも見えます。滞在が長いほど、この差は効いてきます。

大手のスーパーは夜遅くまで開いています。到着した日の食料は、ここで揃います。
今日のブルーレートを見る毎日自動更新・公式との差・換算ツール付き
子ども連れのブエノスアイレス
ブエノスアイレスは公園の街でもあります。街区ごとに広場 (プラサ) があり、大型の遊具を備えた遊び場が珍しくありません。木の板を組み上げた巨大な恐竜のジャングルジムのような、日本ではまず見ない規模の遊具に出会えます。

週末の広場は家族連れでにぎわいます。ベンチとカフェが遊び場のすぐそばにあるので、子ども連れの旅でも街歩きの合間に休める場所には困りません。
ブエノスアイレスとはどういう意味ですか
スペイン語で「良い空気」という意味です。入植時代の船乗りが崇めた「順風の聖母 (ブエン・アイレの聖母)」に由来し、それが街の名前になりました。
ブエノスアイレス観光は何日あれば足りますか
主要な見どころは3日で回れます。日曜のフェリアに合わせて日程を組み、タンゴショーの夜を1晩入れるのがおすすめです。近郊やイグアスの滝まで含めるなら5日以上を確保してください。
ブエノスアイレスの治安は大丈夫ですか
エリアと行動を選べば安全に観光できます。北側 (パレルモ、レコレタ) は比較的安全、ラ・ボカは観光区画のみ、レティーロ駅周辺は避ける、夜はアプリ配車、が基本です。当サイトの治安完全ガイドに地図があります。
ブエノスアイレスの物価は安いですか
実勢レート (ブルーレート) で両替すれば、食事は日本より手頃に感じる場面が多くなります。ただしインフレで価格は常に動くため、当サイトの毎日更新レートページで出発前に感覚をつかんでください。
ブエノスアイレスのベストシーズンはいつですか
春 (10〜11月) と秋 (3〜4月) です。夏 (12〜2月) は30度を超える日が続き、冬 (6〜8月) は0〜15度程度で観光は可能です。季節は日本の逆と覚えてください。
ブエノスアイレスを歩く
路面電車が走っていたころ
この街にはかつて、世界有数の路面電車網がありました。20世紀の前半、ブエノスアイレスは総延長で世界の上位に入る規模の軌道を持ち、移民が増え続ける街を運んでいました。1960年代にほぼ全廃され、いまはその大半が地下鉄とコレクティーボに置き換わっています。
痕跡は残っています。カバジート地区では保存された旧型車両が休日に走り、往時の車内をそのまま体験できます。地下鉄A線の古い木製車両も、同じ時代の空気を残していました。街の道路に埋まったままの軌道を見つけることもあります。
現在の移動手段は 地下鉄 と コレクティーボ、それに アプリ配車 です。路面電車は、この街がどう作られたかを知るための手がかりとして残っています。
次のバスまで何分か調べる停留所6,962か所。押すと到着予定。路線番号を知らなくても乗れます