アニバル・トロイロ(Aníbal Troilo, 1914年7月11日 – 1975年5月18日)はアルゼンチン・タンゴ黄金期、1930年代から活躍した作曲家・バンドネオン奏者。

今年2024年は没後49周年となります。

トイロイは10代からアルゼンチンタンゴの現場で活躍してきていますが、若き10代のトロイロの音楽はあまり知られていませんよね。

実は映画デビューしていたのをご存知でしょうか?

【1933年】10代のトロイロの演奏が聴ける『LOS TRES BERRETINES 』

そんな5月はトロイロ特集に加えて、これまたアルゼンチンタンゴの世界ではその名を知らぬ者はいないというほどの巨匠アルフレド・ゴビの命日が21日でした。

アルフレド・フリオ・フローロ・ゴビ (Alfredo Julio Floro Gobbi, 1912年5月14日 – 1965年5月21日) はアルゼンチン・タンゴの音楽家。現在はアルフレド・ゴビ楽団のマスター、アルフレド・ゴビとして知られます。

ゴビは伝統を重んじる古き良きアルゼンチンタンゴのスタイルであり、独特の感性とパワーで知られるトロイと、と対照的なゴビの作品で二人の巨匠の命日に想いを寄せてみてはいかがでしょうか?

日本語では踊り子と訳されるダンサリン。

そうです、ダンサーのことですね。

トロイロのオリジナル作品ではありませんが、かなり心踊る演奏になっています。

この曲は1958年に当時まだ無名だったフリアン・プラサが作曲しました。

フリアン・プラサはエドグァルド・ドナート、ミゲル・カロ、オスヴァルド・プグリエーセなどの楽団でバンドネオン奏者として活躍。

トロイロの曲だと思っていた方もいるのでは?!


1948年に発表された「スール」は、トロイロの代表作としてはあまりにも有名です。

直訳すると「南」を意味する題名であり、ブエノスアイレスの南部にある一角の通称です。

この曲は、タンゴの作詞家として一世を風靡したオメロ・マンシによって作詞され、多くの人々に歌われてきました。

歌詞は、変わり果てた場末を訪ね、青年の頃の恋愛を懐かしむ内容で、サンファン(San Juan)やボエド(Boedo)といった地名が登場します。

これらの場所の一角には、1940年代に喫茶店があり、そこでマンシがこの歌を書いたとされています。

その場所では、「エスキーナ・オメロ・マンシ」というタンゲリア(タンゴ生演奏の店)が営業しています。

エドムンド・リベロの歌唱が最初ですが、アニバル・トロイロ楽団のエドムンド・リベロ歌入りのレコード録音は、定番としてよく聴かれています。

また、フリオ・ソーサやロベルト・ゴジェネチェなどによっても歌われ、その名演は有名です。

1956年に発表された曲で、直訳すると「最後の酔い」となります。

カトゥロ・カスティージョが作詞し、歌われています。

“curda”は、ラプラタ近辺の俗語ルンファルドで、「酔い」を意味し、「クルド人」が元の意味となっています。

著名な音源としては、作曲者自身が率いるアニバル・トロイロ楽団の録音があり、エドムンド・リベロが歌うものが最もよく聴かれています。

トロイロも酔い疲れた時期があったのでしょうか。

アルフレド・ゴビの代表作といえば、これ!

「Si sos Brujo」

直訳すると君がもし魔術師ならとなります。

作曲自体はEmilio Balcarceですが、ゴビのアレンジ、オーケストレーションは特に人気で有名なものになります。